英語の基本構造を立体的、論理的に学ぶ

2012年度のノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸彌教授の業績について、同じく1987年に受賞した利根川進米マサチューセッツ工科大教授は、「傑出した独創的な基礎研究から始まっており、技術開発には基礎研究がいかに大切かを証明してくれた」と述べています。(朝日新聞)

門外漢の私には手の届かない難しい科学の世界も、基礎が、大切だと知って安心しました。

「英語学習は基礎が大切」、と言うと「基礎は出来ています。文法はわかっています」と簡単に言う人がいます。

その基本をどのように応用し、活用して使いこなすことはできているでしょうか?

私の考えている’基本’がきちんとできていて、最初からやり直さなくて済んだのは、今までに2,3人しかいません。

頭がいいけれど(そのせいか?)基本をなめてやりたがらない生徒がいましたが、基本構造に思い違いや見落としがあっては、その小さなミスで不合格になります。

ある最難関私立大学受験では、同点数が400人並ぶと聞いたことがあります。ピリオド、クエスチョンマーク一つの見落としで不合格になるわけです。

その生徒にすれば、難かしい入試問題の解き方を教えてくれればできるのにという不満がくすぶっていましたが、私にしてもその生徒の基本がしっかりできているか2,3回やればすぐわかります。

彼女の望みどうりやっても合格はおぼつかないことは目に見えていましたから、取り合わないで基本を進めていましたが、身を入れてやらないので、目に見えた成果はすぐには上がりません。

そのうち、親戚の女子大生に見てもらったら、定期試験の点数がぐっとあがったそうで、「2,3か月やっても、効果が出ないのはおかしい」と言ってやめていきました。

「らくらく英語は後になって、じんわりと確実にきいてくる」とよく言われます。それが基本をキチンとやって、応用力が着いたあかしだと思うのですが、その生徒は自分の期待どうりの大学には合格しなかったとあとからききました。

通っている学校でかなりキチンと基本練習を積んできた生徒はそれぞれの文法事項を正確に覚えていました。

ただ、学校ではその立体的な構造までは教えられなかったので、改めて踏み込んでいくと、「なるほど、なるほど」の連発。

土台があったので、時間もさしてかからず基本構造を身に着け、2年の夏には最難関国立理系大のA判定がでました。

彼女の通っていた女子高では、理系科目がそれほど強くはなく、センター入試の英語でずば抜けた点数を取って、美大建築科に合格。

物静かなお嬢さんが、全身泥にまみれての作業にたくましく変身。めでたく大学院に進学しました。

英語のテストはTOEICで、500点台でスタートし、2,3か月の勉強で、700点台をクリア。中高で築いた土台があったからできた、と言います。

アメリカに留学して、卒業論文を英語で書いて学位を取っても、「構造がはっきりわかっていないので、もう一度やり直したい」と言う中年の女性がいました。

ハーヴァード大で、論文やエッセイを書くのがどれだけ大変か経験していますので、ちょっと、びっくりしましたが、自分の能力を正直に見つめる心に感心し、ある意味で、実力のある人だと思いました。

超難関校の中学受験に合格せず、区立中に通っていた男子生徒、まじめに宿題もやり、定期試験はいつも90点後半。

2年の2学期から、再び受験のために、塾で難しいことをやりだしたころ、検定教科書にもとづいた基礎の学習が物足りなくなっているのが見えました。

3年の1学期、めずらしく、試験の点数が下がりました。と言っても、80点後半ですから、他の生徒なら上出来ですが、通りで、たまたま彼のお母さんに出会った時、「今回、彼はいい教訓になりましたね」と声をかけると、びっくりしたように、「そうなんですよ。自分でもショックで涙を流していました。そして、基礎の大切さがよく分かった、恭子の英語はぜったいやめないぞと言っています」と。

高校受験でめでたく初志貫徹した彼に一年後に会った時、「恭子、英語って、基礎さえきちんと身に着けたら、あとは、ボキャブラリー(語彙)をふやして5文型にあてはめていけばいいだけですよね」と意気揚々。

そこを経験して自ら悟れば、何も言うことはありませんので、私も簡単にそうよ」とだけ答えました。その後、彼は最難関大の理系に。

英語の文はどんなに複雑な構造に見えても、5つの文型に収まりますので、5文型が把握できれば、英語は、あまり例外のない、論理的で簡単な言語と言えます。

しかし、多くの学校で、中2から3年にかけて申し訳程度に文法事項の一つとして、さらっと触れるだけ。

それでは遅いし、実際にあてはめて、身に着ける訓練をしなければ、猫に小判。

合わせて、各品詞が、文のS,V,O,Cの中で、どんな役割をしているか、(大学受験などで、瞬時に)見分ける訓練も必要です。

らくらく英語教室では初めに、名詞形容詞動詞の品詞カードでかるたとりをして、品詞の区別を理解します。ある程度品詞の見分けがつくようになったら、最初の段階から文を分析して文型をみつけ、正確に和訳します。また日本語の文も文型に分析して、英文に訳してゆく訓練をします。

中2から中3にかけて学校でいきなり文型が出てきて、多くの生徒たちは面食らいますが、当教室の生徒は1年の時からやり慣れているので、お手の物です。

そういうものとして、最初は少し難しくても、やり慣れれば簡単に和訳英訳ができます。

何文型と文型を見つけるだけで、活用しないなら、意味がありません。

品詞が、文の中で果たす役割も徹底して学習します。例えば、(1)英語は大切なこと、強調したいことほど前に持ってくるという大原則、(2)疑問詞は常に文頭にくる、(3)what は名詞を、howは形容詞、副詞をたづねるという3つのきまりで、感嘆文の仕組みが論理的に学習できるので、一度、のみ込んだら忘れません。

She is a very smart girl..

He runs very fast.

very をさらに強調するのが感嘆文と考えれば、ルール(1)(2)にしたがって、疑問詞を付けて前に持ってくる。(3)にしたがって、a very smart girl には、名詞が主なので、veryの代わりにwhat を、fast 副詞なので、howをつけて前に持ってきて、びっくりマークをわすれないでつければOK

What a smart girl she is !

How fast he runs!

これはほんの一例ですが、らくらく英語教室では、レッスン中何回も質問が回ってきます。たんに尋ねられたことに答えるだけではなく、「なぜ?」「その答えはどの文法のルールからだしたの?」と追い打ちがかけられます。

受験生には、長文読解の選択肢を選んだ根拠を、間違っていた場合は、どこをなぜ間違ったかを、見つけ出してもらいます。

ついでながら、以前ある大手予備校の人気講師が、「模試やテストでやった間違いを必ず正すこと、これが合格への第一歩」と言っていました。

当教室でも、戻ってきた定期試験などの答案を再チェックして、なぜ間違ったか、理解不足だったのか、思い違いだったのかを見極め、全員で、再学習することもあります。

一番大切なのは、レッスンで習った文法の定義を正確に覚えること。主語の定義は?との問いに、「文頭に来る名詞」という答えがよくかえってきますが、副詞が文頭に来ることもありますから、正確ではありません。

’文中で最初に来る名詞で、述語動詞のすぐ前[左]にくる。’をあてはめれば、すぐ主語と動詞が確定でき、動詞の次には、補語か目的語が来ることが多いですから、簡単に文章の骨組みがつかめます。

実際、複雑な文の中で、動詞にアンダーラインが引かれ、これの主語は何かという問題が、理系の大学で出されたことがあります。

この定義によって、一分もかからず正解が出せて、別の問題に時間がかけられるわけで、しかも、根拠があるので、正解だと確信できるのが大変有利です。

私自身、生徒の志望校によって、専門外の難関理工系大学の入試問題を解くことがありますが、理系の内容はよくわからなくても、この定義を使って、問題の7割は解くことができます。

「恭子の正解率すごいですね」とびっくりされますが、内容の理解より、英文の構造を論理的に説いていくからです。

サッカーの岡田監督は、「勝負は細部に宿る」と言いました。英語学習においても、全く同じです。

ネイティヴアメリカン(インディアン)の少年は、部族の長老に、山の奥深くに連れて行かれて、「ここにあるものすべてをよく観察しなさい」と言われて、半日置いてきぼりにされて、迎えに来られた時、自分の見たものすべてを細部に至るまで正確に言うという訓練をするそうです。

ある時、就職の面接に出かけて、もう一人の候補者としばらくの間待たされました。呼ばれてはいると、面接官に、「控室で目に入ったものすべてを言って下さい」と言われて、野山で訓練した身には簡単な問題で、全部正確に述べて、合格したそうです。

当教室でも問題文の構成を細部まで正確に読み取る訓練をします。「らくらく英語教室っていうから、もっと簡単で楽な勉強で実力が身につくかと思ってたのに」とこぼしている生徒がいました。

細部に目配りがきく訓練が身につけば、本番の試験で、自分の出した答えの根拠に確信が持てて、迷うことなくらくらくと問題を解いていけるので、らくらく英語と言っているのです。

「才能とは努力を続けることができること」という2010年度ノーベル化学賞受賞の根岸英一教授は「私は徹底した論理とある程度知られている知識を踏まえ、これまでにない新しい手を考える」と述べています。(朝日新聞)

表現は少し違いますが、らくらく英語教室の学習も、習った英文法の知識を踏まえて、英文解釈、英作文を論理的に応用して、より上のレヴェルへ向かう実力をつけていきます。

こうしたレッスンを続けていたある時、中3の男子が「英語って、法則性があるんだな」と。これも「そうよ」です。

こういう頭のいい生徒が努力すれば、鬼に金棒、根岸教授のおっしゃるように、才能が花開くと思うのですが、あるヴェテラン美容師が言っていました。

「えてして頭のいい人は、すぐわかりすぐできるので、飽きてしまって、結局は、中途半端に終わることが多いけど、自分は才能がないと思っている人はその分努力するので人より上手になる」と。

彼も御多分に漏れず、勉強しなくてもそこそこの成績が取れるので、マイペースで、でも受験間際にやっと本気を出して、中堅私立大の付属高校に合格し、そのまま進学しました。

また、伸び悩んでいたその生徒のためにはかられでもしたように、彼以外誰も来ない一人きりのレッスンとなった日がありました。

彼が分からなくなった地点まで戻って解きほぐしていくうちに、英文は、句や節といったいわばかたまりが、品詞の役割となって、文型を構成しているのに気づき「なあんだ、そうだったのか」と、文法だけではない、何か本質的なことを悟ったかのようでした。

その後、医者となり、今でも毎年、とびぬけてきれいな連れ合いとかわいい子供の写真入り年賀状で近況を知らせてくれます。

自ら気づく、悟るといった瞬間は誰にでもあることではありませんが、そうなれば、あとは努力を続けて、自分の才能を開かせる自立の段階です。

中年の女性が習いたいとやってきて、「長年独学で、いろんな参考書も買い揃えて勉強してきたが、どうしてもここが分からない」と言いますので、「ああそれはね、これとこれのルールが組み合わさってそうなっているの」と答えました。

1分足らずの説明で、長年の疑問が氷解したその女性は、泣き出してしまいました。「今まで長い間、どうしても分からないで、いろいろ手をつくして苦しんできたのはなんだったの」と。

基本的な構造の仕組みを理解し、応用することができれば、簡単なことなのです。長年独力で苦しみながら積み上げてきたことを、その基本構造に組み立てなおせば、その苦労も無駄ではありません。

彼女は、私がハーヴァード大のサマーコースを取った時、私の借りたアパートに2週間滞在して、語学学校に通い、苦も無く英語を使っていました。

夜遅くまで、学校の予習復習に打ち込んでいる姿は見事で、今、その成果が出て、かなり複雑なこともしゃべれるようになりました。

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