その言や良し

私自身の記憶にもないほどの何十年来の大雪が2週にわたって続きました。
掘りごたつに潜り込んで、怠け者の猫を決め込んでいた身には、足腰がなまって、滑って転倒しそうで、ドアの外へ一歩を踏み出すことができません。

親御さんからの心配の問い合わせもあって、レッスンの振り替えをすることにして、連絡をしましたら、「這ってでも出かけるつもりでした」と、あるお母様の頼もしい言葉に、思わず「“その言や良し”ですね」と言いました。

達磨さんは、8歳の時に父から宝珠を見せられて、兄が、「この玉は、尊い宝だ」と言ったのに対して、「宝を宝と知る知恵こそ宝だ」と言ったそうです。
さすが、だるまさんですね。

英語の実力が身につくために、もっと良い学習法はないか、と外国大学の夏期講習と受講するなど、いつも習練していますので、らくらく英語をそういうものとして受け取っていただいたとすれば、大きな励みになりますが、習う側が、其れを糧として、実際に使いこなさなければ、文字通り、「馬の耳に念仏」なのです。
何事もそうでしょうが、英語が使えるようになるには、目、耳、口、手で「practice(実際に行うこと)」がなければ、身に付きません。
そして、そのexercise(勉強、実習)に必要不可欠なのが、本人の自発的な“やる気”。
それなしで、言われてやりこなしても、いざという時役に立たないのです。

そういう点で、そのお母様の“這ってでも”という言葉に、やる気と行動の二つが感じられて、素晴らしいと思いました。

「母親が、いくらやる気でやっても、本人はどうなの?」という声が聞こえてきそうです。
ご心配には及びません。
長年の経験で、母と子のきずなの強さを知っていますから、そういう母親の気構えは、おのずと、子供に伝わってゆくのです。
「勉強しなさい!」と口やかましいお母さんに、「大学入試のために、どれだけの量を勉強しなければならないか、やったことがあるのか」と怒鳴り返した息子の話を聞いたことがあります。

実際にやらない人が、他人(わが子)に「やりなさい」と簡単に言います。
現代の大学入試には、社会経験のない18才の若者に理解しろという方が無理な難しい問題が出ます。
それを乗り切っていかなければならないのです。
親御さんのレッスン参加を歓迎しているのは、一つには、その大変さを理解していただきたいからです。
親御さんがそれを実感した時、それは、子供にも伝わり、余分な重荷が一つ取り除かれることを期待して。

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